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GAKU-MC SHOW

From Ambassador of Brand


vol.6 GUEST:下城民生(日本バーベキュー協会会長)
“アウトドア”の現在、そしてこれから。

アーティストであるGAKU-MCがパーソナリティを務め、多彩なゲストとトークを繰り広げる「GAKU-MC SHOW」。今回は日本バーベキュー協会会長の下城民生さんが登場。バーベキューの話題を軸に、アウトドアの魅力、ひいてはシーンの未来についてまで話が発展します。趣味としてキャンプやサーフィンに高じるアウトドア好きのGAKU-MCも新発見があった様子。そんな気になるトークの内容をさっそくご覧ください!

  • Photo_Masahiro Arimoto
  • Text_Yuichiro Tsuji

日本と海外では、バーベキューに対するマインドが違う。

GAKU-MC:日本バーベキュー協会は、具体的にどんな活動をされているんですか?

下城:バーベキューをひとつのカルチャーとして日本人に捉えてもらうために、バーベキュー検定という講習付きの試験を行なったり、イベントを開催したりしています。実は会員が6500人いるんですよ。

GAKU-MC:え! そんなに!? すごいですねぇ。そもそもどうして下城さんはこの協会を設立したんですか?

下城:私はもともとアウトドアジャーナリストをしていて、海外へアウトドアの取材へ行ったりしていたんです。そこで目の当たりにしたのは、各国のバーベキューカルチャーのレベルの高さ。それを見て日本のバーベキューはまだまだ発展途上と痛感したんです。日本でこの文化をもっと成熟させたいという想いから、この協会を設立しました。

GAKU-MC:ぼくもつい先日、家族でキャンプへ行った際にバーベキューをしました。普段あまり料理とかしないので、今日は家族にいいところを見せようと思っていろいろ準備したら「パパやるじゃん!」って嫁さんと子供に褒められて。そのときはゴミを持って帰るのが嫌だったので、極力ゴミが出ないようなバーベキューをするように意識したんですけど。

下城:それ正しいですよ。オーストラリアでは、そもそもゴミになるようなものをバーベキューに持っていかないっていう考え方なんですよ。そういうシステムができあがっているんですね。そこが日本と海外の違いなんです。

GAKU-MC:システムっていうのは??

下城:日本でいうバーベキューというものはアウトドアの一環として捉えられているけど、海外ではひとつの独立した文化として成立しているんです。だから、海外ではどこでもバーベキューができるように環境が整っている。バーベキュー場がそこかしこにあって、そこには鉄板もテーブルも椅子もすべてあって。しかも、グリルは使わずに電気式の鉄板を使用している。だから炭も残らないんですよ。

GAKU-MC:へぇ! それは知らなかったなぁ。

下城:日本ではそんなことないですからね。河川敷とかに行って、道具も自分たちでたくさん持って、食材も買い込まなければいけない。そうすると自ずとたくさんのゴミが出てしまう。昔からこの状況に変化がなくて、そこからなにも成長してないんですよ。だから、日本のバーベキュー文化をもっと進歩させたいと思って活動を行なっているんです。

必要なのはバーベキュー会場をパーティ会場に変えること。

GAKU-MC:下城さんにとってバーベキューとはどんなものなのでしょうか?

下城:ヒトとヒトを繋ぐツールですね。バーベキューというのは食事の場ではなく、人々が集う場所であるべきだと思うんです。

GAKU-MC:なるほど! それは音楽も一緒ですね。

下城:そうですよね。ただ日本のバーベキューは、音楽のようにヒトが集う場所になれていないのが現状です。やっぱり、「面倒くさい」って思う人もたくさんいると思う。子供の頃、林間学校でカレーつくったでしょう? わざわざ遠くへ行って訓練させられているような感じ。でもバーベキューは本来、もっとイージーで楽しいものなんですよ。

GAKU-MC:林間学校のカレーっていうのは、すごく納得です。たしかにそんなイメージ持ってますね。

下城:今回niko and ... TOKYOで「mixdoor」という特集を行なっているように、外と中の境界線をなくすことはすごく大事なことだとぼくも思うんです。家に仲間を呼んでテラスで簡易的なバーベキューをやってもいいわけですから。

GAKU-MC:今後、日本のバーベキューのレベルをあげていくためにはどうしたらいいんですか?

下城:バーベキュー場をつくるには資金が必要ですから、いますぐにというのは難しい。だからまずは、バーベキューに対するイメージを変える。これにつきますね。先程話したように、バーベキューは人々の集う場所、いわばパーティー会場なんです。だからもっとイージーな感覚でやることも必要だし、エンターテイメント性も必要だと私は思うんです。

GAKU-MC:エンターテイメント性?

下城:例えばなんですけど、大きな骨付き肉を焼いてそれを切り分けてみんなで食べるとか。細切れの肉を食べるよりもインパクトがあるし、なんか夢があるじゃないですか。

GAKU-MC:あぁ! 確かにそうですね。むかし自分が参加したフェスで豚の丸焼きをやったことがあって。そのときはテンションが上がったし楽しかったです。そう考えるとエンターテイメント性って大事ですね。楽しいと思えれば、またやりたいって思うはずですもんね。

下城:そうなんですよ。日本人はまだまだバーベキュー慣れをしていませんから、まずは私たちが地道にイメージの塗り替えを行なっていって、バーベキューに触れる回数をもっと増やすことが必要だと感じています。

アウトドアアクティビティに触れることで身に付くチカラ。

下城:GAKUさんはなにかアウトドアに触れることって多いんですか?

GAKU-MC:うちの母親がガールスカウトのリーダーをやっていたので、子供の頃から自然に触れる機会は多かったですね。それこそいまはフェスに出演するときも、ホテルに泊まらずに外でテントを張ってメンバーたちとキャンプをしていますね。そっちのほうがホテルに泊まるよりも圧倒的に楽しいし、フェスに参加する醍醐味を感じられると思うので。

下城:フェスってアウトドアに対するイメージを変えましたよね。もともとキャンプというのは、アウトドアの付属品なんです。山や河、海に行って遊ぶという目的があって、それで泊まるところがないからテントを張ってキャンプをするというのが正しい順序で。フェスもそうじゃないですか、生で音楽を聴きに行くというのが前提にある。音楽というのは、いい意味ですごくイージーだしポップ。だからこそ、フェスキャンプがカルチャーとして大きな発展を遂げたんだと思います。

GAKU-MC:たしかにフェス文化はむかしと比べてすごく洗練されてきた感じはしますね。みんな荷物もコンパクトになっているし、会場にいて楽しんでいる様子も伝わってきます。あまりアウトドアに親しみのない人は、フェスに行ってみるというのもひとつの手かも知れないですね。不安だったらまわりのフェス好きに連れていってもらうとか(笑)。行ったら行ったで絶対楽しいと思うんですよ。

下城:それはいいかもしれないですね!

GAKU-MC:ぼくもフェスでキャンプするときはメンバーも無理矢理テント泊してもらうんですよ(笑)。なかには「マジですか?」って戸惑うやつもいるんですけど、10回くらいフェスを連れ回すうちに自分でテントを立てたり、料理もできるようになってて。見違えるくらい頼れる男になったんです。その姿を見たときは、すごく嬉しかったですね。それにアウトドアでの経験って、サバイバル能力みたいなものが身に付くように感じるんです。それこそ防災時とかにも役立つんじゃないかと。

下城:実は、私たちも防災アウトドアといったようなイベントをやっているんですよ。仰る通りキャンプへ行くことが防災訓練になるんですよね。道具類も、災害時に役立つことが多いですし。アウトドアというのは自然という未開発のフィールドでやる遊びなので、本来人間が持っている力が養われますよね。

アウトドアを“遊び”ではなく“生活”に。

GAKU-MC:あと、自然へでると都会では見えない景色が見れますよね。ぼくはサーフィンをやるんですけど、波に乗っているときの景色ってそのときしか見れないというか。

下城:私もそれはアウトドアのいちばんの魅力だと思います。カヌーなんかをしていると、目線が低いなかで河を進みますから、いろんなことに気付けたりする。それはサーフィンやカヌーに限らず、すべてのアクティビティに通じるものですよね。

GAKU-MC:そこにいかないと気付けないことってたくさんありますよね。とくにぼくたちは普段都会のなかで生活しているから、自然の凄みをより強く体感できるのかもしれない。

下城:そもそもアウトドアっていうのは都会の人の"遊び"なんですよ。逆にカントリーサイドに住んでいる人たちにとってアウトドアというのは"生活"なんです。

GAKU-MC:なるほど~!

下城:でもそれが近年では変わってきていて、最近では都会の人も"生活"としてアウトドアを取り入れるようになっているんです。例えば、アウトドア用品を家のインテリアとして使う人も増えてきていますよね。まさに「mixdoor」といいますか。これはすごくいい傾向ですよね。

GAKU-MC:実はぼくもこのあいだniko and ... TOKYOで買ったハンモックを家で使っているんですよ。それこそこのあいだのキャンプのときも、キャンドルや焚き火用のグローブ、あとはナイフとフォークのセットもここで購入したアイテムを持って行きました。で、これらのアイテムをそのまま家でも使っていて。グローブなんかは冬に自転車乗るときにそのまま使えますしね。

下城:モノから入るのも決して悪いことではないですからね。アウトドア用品をインテリア用に買って、それじゃ物足りないから実際にアウトドアシーンで使ってみるとか。だから、niko and ... TOKYOでアウトドア用品を買えると言うのはすごくいいことですよ。いままで関心がなかった人も、これを見て興味を持てますから。

GAKU-MC:たしかに、きっかけになればいいですよね。

下城:いいモノは伝染しますから。ひとつでもいいモノがあれば、だんだんそれに乗じたものが増えてくる。そうすると友達も影響されていって、アウトドアの環境が整ってきますよ。

GAKU-MC:そもそもアウトドア用品って中途半端なつくりのものとかないですからね。これからどんどんアウトドアに興味をもつ人が増えてくれたら嬉しいですね。

下城民夫
1960年生まれ、兵庫県出身。父親の影響で幼い頃からアウトドアに親しむ。大学卒業後、イベント会社や広告代理店での勤務を経て、アウトドアジャーナリストに転身。世界中のアウトドア事情を取材する。2006年には日本バーベキュー協会を設立し、バーベキューやアウトドア業界の発展を目指す。