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連載

Lifestyle with Professionals.


vol.5

“チオベン”こと山本千織さんの
簡単!秋色おかずレシピ。

山本千織さんは、カラフルでパンチも効いている芸術的なお弁当や、絵画のように美しいケータリングで知られる料理人です。その彼女が作るお弁当は”チオベン”と呼ばれ、ランチが”チオベン”だとテンションが上がる!と、撮影現場などでも圧倒的な人気を誇ります。今回は、深まる秋の食材を使い、彼女ならではのアイディアで組み立てられた秋のレシピを教わりました。〈niko and ...〉の器のチョイスも山本さんらしく、自由に、かつ機能的です。

  • Photos_Nahoko Morimoto
  • Text_Mari Katsura

お弁当、ケータリングで人気の料理人山本千織さんのアトリエ。

「ずらりと弁当を並べられるのが、とにかくいい。数メートルあるガス台、流し台とつながる作業台が何よりの自慢です。」と語るアトリエは、一昨年の夏に代々木上原にある一軒家を改装したものだそう。らんまや障子を取り払い改装した、木のぬくもりのあるモダンで無駄のない空間。連日庭の緑を背に、スタッフたちと仕込みの小気味好い連携プレーが繰り広げられます。

元はジャングルのようだった、という庭に魔法をかけたのは、「YAECA HOME STORE」の庭も手がけたグラフィックデザイナーの黒田益朗さん。梅の収穫も年中行事となっている大きな梅の木には、メジロやツグミもやってきます。ミントやタイム、イチゴが茂り、干し野菜のカゴが軒下に吊り下がり揺れる庭は、まさに料理人の家という風情です。

見ても食べてもおいしい”チオベン”が並ぶ姿は圧巻。山本さんの作るお弁当は、シグネチャー料理でもあるタコ飯や、春巻きが有名です。肉も魚も、と欲張りなメニューの盛り込みも人気の理由。ひとつのお弁当の中にバラエティをもたせるため、肉が揚げものなら魚は煮たり焼いたり、と調理法もバランスよく工夫しているそうです。チオベンのふたを開けると、アボカドやクリームチーズ、バジルの春巻きなど、目からウロコの斬新な味と出会えます。

ケータリングの際に重宝する大皿たち。使い込むほどいい味を出す、木製ものが多いようです。アフリカやインドネシアの木皿、オランダの真鍮のオーブン皿など、つくられた時代も場所もさまざまですが、どこか似た雰囲気があります。どれも千織さんの審美眼にかなった宝物たちです。

秋色の簡単おかずレシピ。

牡蠣の和えもの

湯引きした牡蠣と、オーブンで焼いた舞茸、さっと茹でた菊の花、小松菜に、カボスを絞って和えた小鉢です。「舞茸は焼くと、フリフリの見た目が秋っぽいと思いませんか(笑)」。舞茸は焼くことで、味もぎゅっと濃くなります。

作り方:舞茸はオーブンで焼いて、冷ましておきます。紫色の食用菊、小松菜またはほうれん草をさっと茹で、水気を切って冷ましておきます。牡蠣を湯引きして水気を取り、他の材料と合わせてカボスを絞って和え、小鉢に盛ります。

里芋のマッシュとなめこ餡

マッシュした里芋に、常備している“きのこソース” をプラス。このソースは、きのこの粘りが味を定着させてくれて、調味料として重宝するそう。いつもはそこにゴルゴンゾーラチーズを加えるのですが、今回はなめこ餡をかけた一皿に。見たことも食べたこともない、そして、きのこの旨味がたっぷりのおかず。千織さんが“うちらしい”と形容する、定番メニューのひとつでもあります。なめこ餡は、「天丼の味がするんですよ〜」とちょっと得意げな千織さん。食べると本当に天丼の味がして、ご飯との相性もぴったりでした!

作り方:“きのこソース“は、しめじをカリカリに油で揚げて、なめこ、米油と醤油を加え、フードプロセッサーでペースト状にした調味料です。茹でてマッシュした里芋に、このきのこソースを加えます。 米油で、茶色いエノキ、長ネギ、なめこを炒めます。 醤油で味を整え、さらにおろし大根も加えて炒めて完成したなめこ餡を、里芋マッシュにかければ出来上がり!

秋刀魚煮

「お弁当に入れるときは、骨まで食べることができるように圧力鍋で中骨まで柔らかく煮ています。家でいただくならコトコト煮るだけでもオッケーですよ」。冷たくても、味が染みていてご飯が進みます。

作り方:秋刀魚を食べやすい大きさに切り、醤油、酒、三温糖、生姜、水を加え、圧力鍋で30分ほど煮ます。白髪葱と茹でた銀杏を散らして完成です。

イチジクとビーツのサラダ

「秋がテーマですし、見た感じもシズル感があるイチジクの和え物みたいなサラダです」。ベイクしただけのビーツもおいしい! 紫玉ねぎの食感、そしてコクがありやさしい甘さのパームシュガーとサワークリームのドレッシングもポイントです。

作り方:ビーツは皮のまま洗って、アルミホイルで包んで1時間ほどオーブンで焼き、火が通ったら冷まし、皮をむいてダイス型に切ります。イチジクは半分皮をむいてカットしたら、レモン汁を絡めておきます(皮はすべてむいても、そのままでもOK)。カットして、レモン汁を絡めておきます。紫玉ねぎは、スライスして水にさらし、水気を切っておきます。すべての食材を合わせ、パームシュガーとワインビネガー、サワークリーム、塩、胡椒を合わせたドレッシングで仕上げます。

今回、山本さんが選んだ〈niko and ...〉の器はこちら。「小鉢として使ったゆったり碗は、汁物にも使える便利な大きさ。すり鉢型の白い器は、色どりの綺麗な料理に、と選びました。楕円形の深皿はメインディッシュを盛るのにちょうどいいサイズ。取り皿にもなる小皿は、何枚も揃えておくといいな、と思いました。料理を盛るときの全体のバランスを考えて選んだ器たちです」。

料理人・山本千織
東京・代々木上原で「chioben」を開業。メディアの制作現場やパーティ、レセプションへのケータリング・お弁当の販売を手がける。色鮮やかなスタイリングとバラエティ豊かなおかずは大人気で、一度食べたら忘れられないファンが続出。 著書に『チオベン 見たことのない味 チオベンのお弁当』(マガジンハウス)がある。