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連載

Lifestyle with Professionals.


vol.10

手つかずの自然が残る奄美大島へ。
写真家・志津野雷さんが手放せない旅アイテム。

“旅の持ち物”でその人の旅のストーリーが分かるのが旅アイテムのおもしろいところ。今回は、世界を旅する写真家であり、地元逗子の魅力をさまざまなかたちで発信し続けている志津野雷さんに、〈niko and ...〉の数あるアイテムのなかから、私物と一緒に旅先へ持っていきたいものを選んでもらいました。

  • Photo_Hiroyo Kai
  • Text_Kana Yokota
  • Illust_Kahoko Sodeyama

写真家
志津野雷
1975年生まれ。鎌倉育ち。写真家、シネマ・キャラバン主宰。15歳から3年間アイルランドの高校に留学。東京工芸大学芸術学部写真学科卒業。自然の中に身を置くことをこよなく愛し、写真を通して本質を探り、人とコミュニケーションをはかる旅を続ける。ANA機内誌『翼の王国』や、〈Ronherman(ロンハーマン)〉などの広告撮影を中心に活動。現代美術家の栗林隆などアーティストとのコラボレーション制作にも力を注ぐ。
RAI SHIZUNO PHOTOGRAPY 朝日新聞連載「生きるレシピ」を探す旅

陸海空、どんな場所にも対応できるコンディションで旅に出る。

独立して誰にも頼らずに生きていくには? そのヒントを探すべくカメラを携え世界中を旅している志津野さん。東日本大震災以降は、より人と土地との絆に焦点を置き、野外映画館「シネマ・キャラバン」とともに国内外を周り地域の活性化に注力していると言います。「魅力のある土地でありながら、過疎化で危機的な状況にある地域は本当に多いんです。写真を撮ることや僕が旅先から得た知恵を生かして、そういった土地の魅力を伝える力になれればと思っています」

「一年の大半は旅をしているのですが、持っていくものは撮影機材がメイン。それだけですでに重いので、他の旅アイテムは極力最低限にしています。機材はスーツケースに詰め、あとは大きすぎないリュックにMacを詰めて移動しやすいように心がけています。僕のホームタウンは逗子なのですが、世界中のさまざまな国を旅してきて、見て感じたことをどう地元に活かすことができるかを考えていると、“本当の旅”は、旅から戻ってきた時にはじまるんじゃないかなと思うんです」

ナイロンバックパック ¥18,000+TAX (niko and ... TOKYO限定)

「基本的に旅の持ち物は、陸海空どこでも対応できるようにしています。海での撮影であればフィンとiPhone用の水中用ケースは欠かせません。寒くてウェットスーツが必要になったとしたら現地で借りればいいけれど、フィンだけは自分の足のサイズに合ったものでないと危険ですからね。この水中ケースはiPhone専用なのですが、水深10メートルまで潜って撮影ができるんです。今回このコラムに掲載している奄美大島の写真もすべてiPhoneで撮影しました。もちろんちゃんとした水中カメラも持っていくのですが、これは遊び道具的な感じ。川でも使えるので気に入っています」

「場所に限らず必ず持っていくのが保湿クリームです。サーフィンをしていると日焼けがすごいので乾燥してしまうんです。カレンデュラの花を使用していて香りもいいんですよ。日焼け防止に普段ハットもかぶるのですが、特に海外に行くときは、日本からは持って行かずにだいたい現地で買うようにしています。持ち物をコンパクトにしても結局お土産とか買っちゃうし、『日本に広めて欲しい』と、現地の方に持たされるモノも多いんですよね(笑)。衣類や下着など、汚れたものをまとめて入れられるランドリーバッグはとても便利です」

「旅をしている・いないに関わらず、音楽はいつも僕と共にあるもの。ジャズも聴くしロックも聴きます。旅先では小さいスピーカーを持っていってみんなで音楽を聴くことも。世界中を旅して得た生きる知恵やヒントを現地で出会った人と共有するためにMacも必ず持っていくんです。写真や映像を見せながら、僕の想いや考えていることをプレゼンテーションする。そうしてプロジェクトがどんどん広がっていくんです。取材することも多いので、小さなメモとペンも必需品ですね」

ANTSワイヤレスヘッドセット ¥3,600+TAX(大型店限定)
ボールペン ¥200+TAX (niko and ... TOKYO限定)
ノート ¥180+TAX (niko and ... TOKYO限定)

大自然が残る美しい奄美大島のフォトストーリー。

世界各国を旅している志津野さんが今注目しているのが奄美大島。手つかずの自然が残るこの美しい島に、魅了されてサーフィンを楽しんだり、風景を撮影したりともう何度も訪れているといいます。今回は志津野さんの友人で、すでに奄美に土地を持つ俳優でありサーファーの中村竜さんとの島ライフを切り撮った写真をご紹介します。

at 奄美大島国立公園

「奄美大島の山側は驚くほど手つかずの自然が残っているんです。国立公園にはキンサクバラの原生林があるのですが、雨の日にこの木の下に寝転んでいると、葉っぱから漏れ落ちた雨の雫が太陽の光に照らされてキラキラとスローモーションのように落ちてくる。それがなんとも美しいんですよね。空と大地に流れる水の循環をより感じることができるんです」

at 用安港

「釣り用語で朝まずめと夕まずめがあるのですが、これは朝まずめ。日の出は魚が餌をよく食べる時間で好漁の潮時なんです。友人の中村竜が船を持っているので、これに乗って漁にでます。用安の海は逗子の海とはまた違った魅力があって、毎日のように素潜りを楽しみました」
※朝まずめ:夜明けから日の出までの1時間程度の時間のこと。夕まずめ:日没前後の1時間程度の時間帯のこと。

at 用安の海

「サーフィンだけでなく素潜りも得意な竜が素潜りし、ガンだけで70センチの大きさにもなる魚を捕まえているところです。彼は漁業権も持っているので無敵。その日の夜、島のみんなで集まるからちょっとお土産持っていこう! と言いながら海に潜って魚を3匹も捕まえてくるめちゃくちゃ人間力の高い男です(笑)」

at 用安港

「冒頭の写真は日の出間近でしたが、これは日の入り間近のひとコマ。夕暮れ時の光で魚がどこにいるかを探しているのですが、海が透明なのでよく見えるんです。僕は1分が限界ですが、竜は2分間も素潜りできるので、一度潜ったら魚を仕留めるまで上がってこないですね。20mくらい潜りますよ」

at 近所

「近所のおばちゃんたちと、捕った魚と食料を物々交換。島ではこういうことが普通に行われています。年配なので漁に出られない彼らに魚をあげると、もずくやスイカをくれて。この日の夜の宴会は、自分たちで捕った魚といただいた食料で成り立ちました(笑)」

at 奄美の“THE DAY”

「先日の台風5号のときの波の写真です。実はこの前日に開催される予定だった奄美の伝統漁法である追い込み漁を撮影したかったのですが、中止になってしまったんです。じゃあ波も出てるし、海を撮影しようと思って。これはサーフィン用語で“THE DAY”と呼ばれるビッグウェーブに竜が乗っているところです」