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連載

Lifestyle with Professionals.


vol.4

プロダクトデザイナー鈴木啓太さんが
旅に持っていきたいもの。

“旅の持ち物”でその人の旅のストーリーが分かるのが旅アイテムのおもしろいところ。今回は、醤油差しから鉄道車両まで多岐にわたるプロダクトを開発している今注目のプロダクトデザイナーの鈴木啓太さんに〈niko and ...〉の数あるアイテムのなかから、私物と一緒に旅へ持っていきたいものを選んでもらいました。

  • Photo_Hiroyo Kai
  • Text_Kana Yokota
  • Illust_Kahoko Sodeyama

プロダクトデザイナー
鈴木啓太
1982年愛知県生まれ。多摩美術大学プロダクトデザイン専攻卒。2012年PRODUCT DESIGN CENTER、THE設立。物の歴史を一歩進める「堅実な革新」をテーマに、プランニングからエンジニアリングまでを統合的に行い、家電、モヴィリティ、家具、日用品、アートに至るまで、国内外で様々なプロジェクトを手掛けている。

“モノを作る人の視点”は旅先も続く。

三角のグラスにビールを注ぐと富士山が現れる「富士山グラス」をはじめ、日用品や工業製品、アートに至るまで国内外でさまざまなデザインを手がけている鈴木さんにとって旅は、仕事との境目がない。

「旅先で気になるものを見つけたら必ずどうやって作っているのか、サイズを測るためのアイテムは欠かせません。どこにいても“ものづくり”モードです(笑)」(鈴木さん)

「旅にはほとんど荷物は持っていかないのですが、文房具だけは欠かせません。普段から集めているお気に入りのポストカードを大量に持っていき、旅先でお世話になった人や滞在先のホテルのスタッフ、移動の電車内で仲良くなった人などにメッセージや連絡先を書いて渡します。ノートは持って行かず、泊まっているホテルの客室に置かれているオリジナルのメモ帳に、旅行中に思い付いたアイディアやデザインを書き留めます」

「「instax SQUARE SQ 10」はとても優秀。チェキ史上初のデジタルインスタントカメラで、画面で確認してから出力することができます。気に入った写真を友達にシェアすることができるので、旅先で一緒に撮ってさらっとメッセージを書いてプレゼントする、そんな使い方が楽しめます。ちなみにデザインは僕が関わっています」

ソックス / Healthknit ¥1,300+TAX
レインコート ¥4,800+TAX

「傘を差したくない派なので、レインコートは必需品。時計は使い古してフェイスが割れてしまった〈ROLEX(ロレックス)〉。気にせずガンガン使えるので旅用にしています。歯ブラシも僕がデザインしたもの。ケースに穴が空いているのでブラシを立てて乾燥させることができます」

マルチツール / KIKKERLAND ¥2,700+TAX (niko and ... TOKYO限定)

「旅先で見つけた建物やモノに触っては『この素材は何でできているんだろう』とか、『幅や奥行きはどのくらいだろう』とか、とにかく気になってしまうんです。定規、ノギス、メジャーなどの計測アイテムたちは一番欠かせないアイテムかもしれません」

ボックス ¥800+TAX

「美術館やギャラリーでもらったチラシやポストカード、石や羽根などの小さな小物なども型崩れせずに持ち帰ることができて便利なので、こういったボックスをいくつか旅には必ず持っていきます。右の「THE STORAGE BOX」は組み立て式で、持っていくときや使用しないときは板状になるのでスペースをとらないところが気に入っています」

メモパッド ¥480+TAX

「普段は読まないような哲学書や詩集などを旅に持っていきます。電車の中や寝る前など、ほんの少しだけ文字を追うという行為を楽しみます。日本の伝統文化に詳しい本なども、日本を離れた海外で読むと、日本の良さを再認識できるのでおすすめですよ」

鈴木啓太さんの石川の食とデザインの旅。

金沢美術工芸大学の客員教授を務める鈴木さんは、この5年で20回は金沢を訪れているそう。仕事場というだけではなく、旅先でとしてもお気に入りのスポットであることから、石川県の魅力をたくさん教えてくれました。

at 鈴木大拙館

「鈴木大拙は金沢生まれの仏教哲学者。彼の生涯を知ることができる文化施設なのですが、建築家の谷口吉生さんが設計した建物が本当に素晴らしい。紅葉の季節の景観は見事でした。金沢21世紀美術館よりも好きな場所です」

at 小松弥助

「東の『すきやばし次郎』、西の『小松弥助』と言われるほどの金沢で知らないひとはいない名店です。紹介制なのですが、歴史を感じさせる味わい深さがあります。ちなみに金沢はすし屋の激戦区。ほかにも名店がたくさんあり、僕の一番のオススメは太平鮨です。ほかにもいいお店がたくさんあります」

at 北大路魯山人の日月椀

「石川県は、美術工芸や茶の湯の盛んな土地。塗師であり、金粉や銀粉などで漆器の表面に絵模様をつける加賀蒔絵(かがまきえ)の第一人者となった二代目の辻石齋さんは、僕の大好きな北大路魯山人とともに、『日月椀』を競作した方です」

at 山中漆器の産地

「塗師の辻石齋さんがお椀を作るときに頼んでいる木地びき屋さんで、ろくろ挽きの木地を制作しているところにお邪魔しました。太い木を轆轤につけて回転するとお椀の形ができあがるんです。この作業工程に感動しましたね」

at 会員制のバー

「金沢の東茶屋街にあるバーで飲んだ焼酎のボトルです。実はこれ、珊瑚が付着しているんです。海底に1年沈めて寝かせることでより熟成するそうです。なんだかアート作品のようなお酒ですよね。いやあ〜おいしかった!」

at 柳宗理記念デザイン研究所

「20世紀を代表するインダストリアルデザイナー、柳宗理の美術館。彼がデザインしたプロダクトに実際に触れたり腰掛けたりできて、かつ入場無料なんです。ご縁があって、今年僕の展覧会をここで開催しようと考えています」